都市と山村をつなぎ双方の暮らしを豊かにする
シナジー創出組織、おいでん・さんそんセンター。

豊田市の公的機関でもあるけれど、運営は民間団体でもある
というのは珍しい組織ですね。

坂部さん

2013年に豊田市役所の機関として「おいでん・さんそんセンター」が開設されました。その後運営組織が2017年に一般社団法人化され、私たちが運営しています。
都市部と山村地域のハブ機能として交流事業や活性化策に取り組んでいます。

自動車メーカー城下町の自治体が
山村地域支援…的な取り組みってことですか?

坂部さん

いえいえ。違います。これは常々センター長が申しているのですが、「豊田市はニッポンの縮図」なんです。巨大メーカーがあり市街地に人口が集中し、一方で山村地域ではたいへんな過疎問題を抱えているのです。まさしく日本中がこの課題を抱えています。豊田市は小さなニッポンなんですね。だからこの町で都市と田舎がうまく交流をはかり、お互いの課題解決につながっていけば、すごい先進モデルができます。

TOYOTAのお膝元に過疎問題?
たぶん世界の人は信じないでしょうね。

坂部さん

豊田市生まれのボクも前職の東京勤務時代はまったく知りませんでした。2005年の市町村合併で愛知県の約1/5の面積が豊田市になってね。すごく広いんです。市域の約60%が山村にもなりました。で、山村地域の過疎化はとても深刻です。

都市と田舎を結ぶ仕事って‥‥
どうすればつながるんですか?

坂部さん

入所当時、上司から細かい指示なんてありませんでした。でもミッションは「都市企業とのコーディネート」って決まっていた。何をどうしたらいいのかわかりませんでした。
けれど、民間企業から持ち込まれた相談案件に耳を傾けて、それを具体化していくうちにだんだん実績ができました。

今、サラッと言いましたけど、
まあまあ重要な任務を丸投げされましたね。

坂部さん

名古屋市の企業さんが耕作放棄地を活用して研修を実施するというものでした。どんな目的で実施するのか。何人ぐらいの規模なのか。使える農場がどこにあるのか。農業指導のトレーナーは誰が適任か。仲介してくれた企業の担当者と、研修を実施する企業と、農家さんと、あらゆる人の意志をうまくコーディネートしていく役割です。

それってたいへんそう。

坂部さん

片一方だけのメリットでもう片方には負担だらけっていうんじゃ成り立たない。
みんなの目的、人間関係、収支…、どれもうまくいくように間を取り持つのが大事ですね。

それでようやくうまく活性化していくんですね。

坂部さん

みんなにメリットがあれば、だんだん進化していきます。たとえば、小さなファーム研修からスタートした外食チェーン企業が本格的な6次産業化に向かっています。

おおすげー!それはどんな内容のプロジェクトなんですか?

坂部さん

小さな田畑を社員が耕し、その作物で酒やみりんや酢が誕生し、その調味料と野菜でピクルスをブランド化しようとしています。他にもジビエカレーの商品化プロジェクトを地元の高校とともにコラボしています。

6次産業化なんてやりたい企業が多いんじゃないですか?

坂部さん

そうだといいですね。
仲介企業さんと視察ツアーなんかも企画してバスツアーを開催したことがありますけれど、そんなこともまた再開できるといいですね。

これからの時代に地方とのコラボは進みそうですけど‥‥

坂部さん

でも最初は企業の皆さんはだいたい悩むんですよ。「なぜ豊田市?」「なぜ山村地域で?」と。皆さん共通です。実際に見ると変わります。前述の外食チェーンの社長も「農家さんの切なる声で決めた」とおっしゃっていましたから。
でもこれこそこれからの時代の新しい発展の方法ですね。

企業だけでなく個人でも都市と田舎はつながりますよね。

坂部さん

実はコロナ禍以降、空き家バンクや移住についての問い合わせが増えています。郊外型の生活こそ心の豊かさにつながっていくんだと思う人が増加しているのは間違いないです。

自分たちの生活も見直す人が増えましたね。

坂部さん

おいでん・さんそんセンターでは、郊外型の生き方や暮らし方を紹介した『縁側』とか、“とよたの食と農”をコンセプトにした紹介サイト『もやいこ』なんてWEBメディアも立ち上げたのです。

やることが盛りだくさんですね。

坂部さん

あ、これは別の担当スタッフがいるんですよ。それぞれが得意分野を活かしたシゴトを創出していくのもおいでん・さんそんセンターの魅力のひとつです。

個人も企業も、新しい発見ができそうな予感がしてきた。

坂部さん

ボクたちはハブみたいな機能を果たします。
都会から見ると田舎で暮らしたり仕事を生み出すのはハードルが高い。一方、
田舎の人は『都会とつながるって何?』ってなる。
田舎の人には田舎の、都会には都会の、企業には企業の、それぞれの考えがあります。その間をとりもってうまく翻訳しながら、シナジーを生み出したいですね。

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こちらの記事は 2020年11月20日に公開しており、
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坂部友隆 坂部友隆