ClassicMINIを新車並みのコンディションに
蘇らせるバックヤードビルダー

SPOt!運営本部の伊藤秀一です。 クラシックミニの専門店「C.C.O」を経営する太田さんに、 専門店のすっげ〜こだわりをインタビューしてみました。

太田純司社長

C.C.Oの太田です。よろしくお願いします!

古いクルマって味があっていいんですけど
なかなか本気で買うとなると躊躇します。

太田純司社長

ノスタルジックカーの世界は一定のファンがいて、中古車価格も高騰していますね。人気絶版車だととても手が届かない。クラシックミニもジワジワと値段が上がっています。
しかも、古いクルマはちゃんとメンテナンスが必要だし、手に入れた後も維持メンテナンスにも覚悟がいりますね。

値段が高いのに手間がかかるとか‥‥。
そんなめんどくさいモノを、敢えて愛でるマニアがいるんですね。

太田純司社長

そんな旧車の中でも、クラシック・ミニは40年間も生産されていたのでタマ数は豊富です。市場の価格帯も幅広いし、パーツの供給にもまったく困ることはありませんから。
そしてウチで販売するクルマは、基本的にネジ一本までバラしてフルオーバーホール仕上げなのが大きな特徴です。

ふ〜ん‥‥。
ところでフルオーバーホールってなんですか?

太田純司社長

パーツを全部バラして劣化した部品を新品に交換したり、清掃したりして、イチからクルマを組み直すのです。ボルト1本、小さなゴム製ブッシュひとつまで全部、です。このクルマの泣き所がどこかもわかっていますから、強化パーツに組み替えるモノもたくさんあります。

とんでもなく地道な作業ですねえ。
それでちゃんと実用的なモノになるんですか。

太田純司社長

あのね。これを言うとみんな信じないだけどね。
ウチで組んだクルマだったら、真夏の炎天下でクーラーをガンガン使って渋滞にハマってもオーバーヒートなんてしません。駆動、構造、電装部品、すべてに日常使いできますから。そのぐらい丁寧に仕上げていると自負しています。だけど!やっぱり基本設計は1959年っていう昔のままなんで、決して『壊れない』とは言いませんけどね。
ちゃんとメンテすれば普段使いもできますよ。

マジっすか?ちょっと興味湧いてきたかも。
乗ってみたくなりました。

太田純司社長

ひとつ言えるのは、このクルマはマニュアルミッションを選んでいただくほうがいいかな。
ウチで扱うクルマはほとんどマニュアル車なんです。『どうしてもミニに乗りたいから』ってAT限定の免許を変更していただいている若い女性オーナーだって少なくありません。(ドヤ顔)

マニュアルって・・・・。やっぱりマニアックですよねえ。
いくら若い女性がそうしたからって言っても、
やっぱハードルは高いですね。

太田純司社長

そんなことはありません。愛があれば。

愛って。。。そんなにクルマに愛情を注げるかな。

太田純司社長

ミニは1959年以降、フルモデルチェンジがなかったとはいえ、各年式ごとにビミョーに仕様が変化されています。
ボクはかれこれ20年もこのクルマをバラしては組み直すって作業を繰り返しているからクルマのキャラも見えてくるんです。
パーツをの構造や変化を眺めていると、設計思想が見えてくるんですよ。1台1台を見ていると、どんな志向の人が乗っていたのかも透けて見える。
「ああこのパーツはこういう理由でこの曲げ角度と取付位置に変更したんだな」とか。そういうのがわかると嬉しいじゃないですか。

愛・・・ていうか、オタクな世界ですね。

太田純司社長

すると、設計上の弱点とか、カスタマイズが必須のところとか、ヘタに改造しちゃうとマズいところとか、新車以上の耐久性を考えた施し方がわかってくるんですよ。
でも、ぜんぜん自慢することじゃありません。好きな人なら同じ知識を持った人もたくさんいますからね。
マニアックなユーザーを満足させるためにどこまで仕上げていくかって話ですよ。

マニアを満足させるって難易度高いですね。 こだわりの強いユーザーも多そうだし。

太田純司社長

マニアをも唸らせる専門知識ってのもさることながら、あまりハードルを上げるものイヤなんです。「ミニたるクルマかくあるべし」と説いて一見さんお断りなイメージにはしたくありません。初めてユーザーさんも大歓迎ですよ!

玄人にも素人にも向き合う‥‥
その両立ってなかなか難しそう。

太田純司社長

シンプルですよ。手を抜かないことに尽きます。たとえば、たった一本の電気ケーブルでもカプラで接続するのかハンダ付けすべきかを見極めなきゃいけない。あるいは、たったボルト1本の締め方にもルールがある。小さなトラブルでも「所詮ミニはこんなもんでしょ!」といって片付けない。オーナーのつぶやいた些細な不具合にも耳を傾ける。そういう小さなことを徹底すれば誰もがナットクしてくれますから。

そのていねいな職人気質がにじみ出る配慮ってのが
ファンづくりになっていそうですね。

太田純司社長

オーナーさんたちと定期的な交流イベントを開催したりもします。あと、ミニだけが参戦する草レースなんかにもありますからね。とっておきのレースカーを製作して参戦しています。いつも予選じゃぶっちぎりの速さなんですけどね。決勝でミスる(笑)

これからどんな将来像がありそうですか?

太田純司社長

ウチでフルオーバーホールした車両は、全国からのオーダーがあります。今、オーダーをいただいても完成は1年以上待っていただくことになります。中には海外からの問い合わせもあります。だけど海外流出すると帰ってこないですからねえ。英国製のMINIですが、8割が日本のマーケットで売れたといわれています。そのクルマが流出していくのはもったいない気もします。そんなミニを仕上げる専門ファクトリーとしては日本一を目指したいですね。

1年以上待ちって‥‥。すごい人気ですね。

太田純司社長

いやでもね。量産できる仕組みがないし。だんだんベース車両の劣化してくる。だけどミニは大衆車でしょ。激レア超高級なスーパーカーを製作して売るわけでもないから、‥‥儲かんないんだよね。

でもそれがこのショップの信者を増やしているような気がしてきましたよ。

太田純司社長

だといいんですけどね。ところで、ここに紹介されたら儲かるの?

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こちらの記事は 2020年10月29日に公開しており、
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